赤りんご
「アホ…!!」
予想外な返事にびっくりした。
「はっ?」
水嶋くんは小さくため息をついた。
「…サキは俺の姉ちゃんだよ」
「………………………………」
頭の中が真っ白になった。
「嘘……」
「嘘じゃない、俺の姉ちゃんの名前は水嶋咲。血の繋がった姉弟だよ。」
「でも、大崎くんは多分彼女だって言ってた。」
「アイツには姉ちゃんがいること言ってねえからな…っていうかいい加減信じろよ。」
信じろって言われても…
頭がついていけない。
「何で彼女じゃないって本当のこと言わなかったの?」
水嶋くんは面倒くさそうに答えた。
「ちょっとな…協力してもらってたんだ。」
「協力…?」
水嶋くんは髪をくしゃくしゃにして、困ったような表情を浮かべた。