赤りんご
「何ニヤニヤしてんだよ!」
「カワイイなあ…と思って!」
「アホ!からかうな!お前…急にぐったりしてマジで焦ったんだぞ!」
「…アレ?何で私寝ちゃったの?」
「軽い熱中症だって、お前水分も取ってないし弁当も食ってなかっただろ。」
そうだった。
午前中は上の空で、暑さでさえも感じてなかった気がする。
「……水嶋くんがここまで連れて来てくれたの?」
「あーうん。お前意外と軽いんだな。」
「意外って…だってちびだもん!」
「ハハハ、そうだったな!」
お姫様抱っこ?おんぶ?
聞きたいけど…恥ずかしいからどっちでも良い。
でもすっごく嬉しい…!
「体育祭は?」
「もう終わった。お前1時間以上も寝てたぞ」
「え!?」
飛び起きて時計を見ると4時。
ジャージのポケットに入れていた携帯を開いた。