赤りんご
「彩花、バスケ部の先輩と付き合うことにしたんだって!」
「へえ…良かったな!」
「うん…!」
珍しく、水嶋くんも安心しきった顔を見せた。
「俺もギャル嫌い克服しないとなあ…」
「何で?」
「だって、上野と鈴木と本多は、お前の大切な友達だろ?」
水嶋くんは、少し変わった。
「優しくなったね。」
「何だよ急に…!」
色んな表情を見る度、『好き』が高まる。
胸がキュンッて苦しくなる。
これを恋と呼ぶのだろう。
でも、みんなに優しいのは嬉しいけど、私嫉妬するかもしれない…。
「不安そうな顔するな!」
「……また顔に出ちゃった?」
いつもの癖だ…
「大丈夫!お前は俺の彼女、お前は俺の特別。」
優しい笑顔で頭を撫でてくれた。
嬉しい…嬉しいよ。
ホントに幸せ。
こんなことを言ってもらえる私は、世界一幸せ者だって言える。