赤りんご






「赤くなってんぞー」



「だって嬉しいんだもん!」



足をバタバタさせて喜んだ。




私にとって水嶋くんは初恋だから、ささいなことでもドキドキして、嬉しくて仕方ないんだよ。




好き、好き、好き。



大好き。




「ホントお前は正直だな!」



改めて、私はこの人の彼女なんだと実感した。






「あーそうだ…」



「何?」



水嶋くんはポケットから何か紙切れを出した。





「何かのチケット…?」





「うん、遊園地のチケット…姉ちゃんからもらったんだけど、今度の日曜…行く?」




答えはもちろん一つだけ。



「行く!行く!絶対行くー!行きたい!」




「よし、じゃあ決まり!」





やった!デートだ…!




初デート…!




水嶋くんとデートだあ…!










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