赤りんご
もう帰ろうかな…
ベンチから立ち上がった。
諦めかけたとき…
必死でこっちに走ってくる人…
「亮太…!」
亮太が走って戻って来た。
「ゴメン!!」
「どうしたの!?」
「お前が戻って来ないから心配で探しに行ったら、俺が迷っちゃって…」
額に汗をかいていて、何度も「ゴメン」と謝った。
「全然平気だよ!私も迷っちゃったから…お互い様だね!」
私が少し笑って言うと、亮太もやっと笑顔になった。
「ゴメンな…」
「もう大丈夫だよ!」
そう言うと、亮太は私を力強く抱きしめてくれた。
「苦しいよ…。」
でも、幸せ…
身長差のせいで、亮太の肩にお化粧が付いちゃうよ…。
「やべ!俺めっちゃ汗かいてる!」
「汗臭くてもカッコイイよ」
「変態…」
ずっとこのままでいたいね。