赤りんご
すごく近い距離で見つめあったまま、動くことが出来ない。
目をそらすことが出来ない。
ただ、じわじわと顔が熱くなるのが分かった。
「ビックリした?」
「うん…」
当たり前じゃん…
いきなりキスされるなんて思わないよ。
でもね…嬉しかった。
「ファーストキスだったんだからね…」
「そっか…そっか…!」
亮太の口元は緩んでいた。
「何でニヤけてんの?」
「嬉しかった…お前のファーストキスの相手が俺で…」
「私も嬉しいよ」
初めてのキス…
ちょっと突然過ぎたけど、でもすっごく嬉しかった。
大好きな人と触れ合うこと。
こんなにも幸せだなんて…
「ほっぺた赤いな…カワイイ」
目の前にいる亮太に、私はまたドキドキしていた。