赤りんご
一つの不安
デートから二週間が過ぎ、後5日で夏休みというところ。
由美と大崎くん、彩花とバスケ部の先輩、えみちゃんと他校の年上の彼氏、みんな順調らしい。
私はもちろん亮太と順調。
たまに昼休みに図書館で会ったり、一緒に帰ったり…。
デートらしいことはしてないけど、でも幸せだから良いんだ。
後は、夜電話をしたり…
朝、亮太が遅刻しないように電話をかけて起こしてあげる。
おかげで最近は、ちゃんと学校に来るようになった。
「もしもーし……」
寝ぼけた亮太の声がカワイイ…!
「朝だよ!遅刻しないでね!」
「りょうかーい…」
私の毎朝の楽しみになった。
教室にいるときは、やっぱりちょっとクールなんだけど…
由美たちだけには、少しは愛想よくなったみたい。
「水嶋くんちょっと変わったね!」
3人ともそう言って感心していた。
『お前は俺の彼女、お前は俺の特別』
前にそう言ってくれたから、不安になることは何もない。