赤りんご






学校の最寄駅から5つ目の駅が、亮太が住んでいるところ。



電車で20分ぐらい。






「着いた、降りるぞ」



堂々と私の手を引っ張っていった。




強引なところも好き…!





「フフフ♪」



「何ニヤけてんだ…」



「いいじゃん!」




きっと女の子にしか分からない。



ドキドキして、幸せで、楽しくて…胸がキュンッとなるようなこの気持ち。



恋してて良かった、と思える瞬間なんだ…。





駅の外に出ると、そこは人が多く、ビルや色んなお店がたくさんある町並みだった。




「にぎやかなとこだね!」



「俺が住んでるとこはもっと静かだよ」



「そうなんだ!」




亮太の手をちゃんと握って、家を目指してついていった。




「ここなら堂々と手繋げるな!」



「うん!!」





一つ目の信号を渡ろうとしたときだった。










< 96 / 215 >

この作品をシェア

pagetop