赤りんご
学校の最寄駅から5つ目の駅が、亮太が住んでいるところ。
電車で20分ぐらい。
「着いた、降りるぞ」
堂々と私の手を引っ張っていった。
強引なところも好き…!
「フフフ♪」
「何ニヤけてんだ…」
「いいじゃん!」
きっと女の子にしか分からない。
ドキドキして、幸せで、楽しくて…胸がキュンッとなるようなこの気持ち。
恋してて良かった、と思える瞬間なんだ…。
駅の外に出ると、そこは人が多く、ビルや色んなお店がたくさんある町並みだった。
「にぎやかなとこだね!」
「俺が住んでるとこはもっと静かだよ」
「そうなんだ!」
亮太の手をちゃんと握って、家を目指してついていった。
「ここなら堂々と手繋げるな!」
「うん!!」
一つ目の信号を渡ろうとしたときだった。