赤りんご
お姉さん
駅から歩いて10分
そこは、たくさんの一軒家が並ぶとても静かな住宅街だった。
「俺ん家ここ」
ちょっとした不安を抱えながら、亮太の家に着いた。
さっきのは、何かの勘違いだよね…
たまたま手を離したんだよね。
うん…きっとそうだ。
もう、忘れよう…
「入って、誰もいないから」
「お邪魔します…」
広いリビングに案内された。
「キレイな部屋だね」
「姉ちゃんがキレイ好きだからな」
「そうなんだ。」
「隣が俺の部屋だから適当に座って待ってて!」
「うん」
初めて亮太の部屋に入った。
「片付いてる…」
ベッドと机と本棚だけのシンプルな部屋だ。
男の子の部屋ってもっと片付いてないのかと思ってた。