静かなキスを、君に。
「……?」
もうこの際、変な子になってもいいや。
彼の眼鏡越しの瞳に映るのは、私だから。
今はただ、
私だけだから…
「えへへ、何だろうね」
そんなことしか返せない私は、彼にはどう映っているのだろう。
やっぱり変人?
変態は、嫌だなぁ。
関わりたくない子?
それもそれで、キツイなぁ。
(カサッ)
紙の、音がした。
机の上には、一枚の小さな紙。
気になって見てみると、細くて、でもしっかり線が通った字が並んだ文。
名前は書かれていなかったけれど、この席には私と彼しかいないから、きっと
“明日の5時、隅の一番端の席で”
ほらまた、
「好き」が、増えた。
あなたの、字。
細くて、でもしっかり線が通った字。
あなたとの、
「また明日」
の、約束。