改定版・キスからはじまる恋
「旭が独りで泣いてないか心配でさ。」


毎回、同じ事を言う東。


私の弱さを見抜いてる?


けど、なんで?


こんな能天気そうなやつなのに。


それに、わかってるよ。


優しくこう言われても、甘えられない。



こんなの慣れてないもの。


「泣くわけないでしょ?
てか、一人だからって....


「でも....
心が泣いてるだろ?
後、ひとりは孤独の方の独りだから。」


私の胸に指をさして言う。


「心が泣いてもあなたには、関係ない。
私は、孤独じゃない。
孤独なんか....」


そう、関係ない。


私は、兄さんのように強くならなきゃいけないの。


結衣だって、そこまで知らないこと。


私と兄さんは、性格が似てるようで似てない。


今の状況は、裏の顔は、私の方がスゴくなってるんだ。


それには、事情がある。


でも、そのせいといか、器用にできない私は、表の顔がうまくできない。


どうして、兄妹でもこうも違うんだろう。


兄さんは、うまくやってのけてる。


だからと言って、私は、独りじゃない。
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