ゆき【短】
ゆき
「ごめんな」
が、ゆきちゃんの口癖だった。
あたしがちょっとしたことでもすぐ怒っちゃうから、ゆきちゃんがいつも謝る。
いつでも悪いのはあたしの方なのに。
でもゆきちゃんはただ優しくあたしの頭を撫でるから、「ごめんね」も「ありがとう」も言えなかった。
それでもあたしたちは幸せだった。
それが、あたしたちだった。
ゆきちゃんが、大好きだった。
あたしなりに精一杯、素直に愛したつもりだった。
~雪―ゆき―~