ゆき【短】





♪~♪

ケータイが鳴った。

この音は、ゆきちゃんだけに設定してある音だった。


メールが来ただけで、泣きそうになる。



【To:有紀

 non title
 ―――
 有紀へ

 今日の11:30発の新幹線で行くよ。
 もう、有紀は俺に会いたくないかもしれないけど、俺はもう1度有紀に会いたい。
 ・・・最後なんだから、見送りに来てよ。
 有紀が来るの、待ってる。

 祐貴 】


ぽたっ、とケータイの画面に涙が落ちた。


ゆきちゃん。

会いたくないわけない。
あたし、ゆきちゃんに会いたいよ。

ゆきちゃんとずっと一緒に居たいよ。

・・・だから、『最後』なんて、言わないで。


「・・・・・ゆきちゃんっ・・・!!」



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