ゆき【短】







あたしはゆきちゃんに勢い良く抱きついた。

1ヶ月ぶりの、ゆきちゃん。


「有紀っ・・・!」

全部全部、あたしの大好きなゆきちゃんだった。


ゆきちゃんが、体を離してあたしの泣きじゃくった顔を覗き込む。

「・・・有紀、ごめ―」

「ゆきちゃん、ごめんなさい。

 あたし、子供でっゆきちゃんのこと、考えなくて・・・自分のことばっかり・・・寂しくて、ごめんなさい・・・!!」

泣いてて言ってる事もめちゃくちゃだったけど、ゆきちゃんは分かったみたいで、またあたしを抱きしめた。


ゆきちゃん、ごめんね。

あたしが子供で。

ゆきちゃんのことなんか考えなくて、自分ばっかり『寂しい』って・・・。


ゆきちゃんが1番、寂しいのに。

ゆきちゃんが1番、泣いてるのに。





ごめんなさい。


大好きなの。











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