ゆき【短】

エピローグ














―「ゆきちゃんっ聞いて聞いて、ちゃんと卒業できそうなの!」

『卒業してもらわなきゃ困るよ、有紀。"大学卒業したら結婚"の約束だろ』

「うんっだからあたし、がんばるね!」

『あぁ。俺もがんばるから、有紀もがんばれよ。』

「うん!!」

『・・・あ、また患者入ってきたみたいだから、切るね。』

「わかった!またね~っ」



あの日、ゆきちゃんが行く直前にあたしに渡したのはおそろいの指輪だった。

離れてても大丈夫だよ、って言って。


ゆきちゃんは有名な医大に入って、今はお医者様のタマゴ。
あたしは、地元の教育大に受かって、今年の春卒業する。

クリスマスに、ゆきちゃんが『有紀がちゃんと卒業できたら結婚しよう』って言ってくれたから、あたしはヤバイ単位もなんとか頑張って卒業ができそう。


「ふふっ」

婚約指輪を見て1人でにやける。

実はもうひとつ、ゆきちゃんに言わなきゃいけないことがあったんだけど、また今日の夜にでも電話しよう。











ゆきちゃん、あたしのお腹の中にあたし達の宝物が宿ったんだよっ!!








*END*


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