ゆき【短】









・・・「ごめんね、祐貴はもうすぐ受験で勉強が忙しくて・・・」


さっき、ゆきちゃんに会いに言ったらおばちゃんに言われた。
本当はこの前の遊園地だって、『勉強のちょっとした息抜き』なのだ。

「1週間ももう会ってないや・・・」

普通だと、学校で会えるけど今は冬休みだから全然会えない。

まぁ、もうすぐ冬休みは終わるけど・・・


「有紀っ!!」

バッと、声のした方を向く。

「ゆきちゃ~ん!!」

ゆきちゃんが部屋の窓から顔を出している。

1週間ぶり。

「有紀、ごめんな!!学校でいっぱい会いに行くから!!」

「うん!勉強頑張ってね~!!」

ゆきちゃんが手を振ったから、あたしも振り替えす。


ゆきちゃんの健康的な黒髪が、揺れていた。





精一杯の笑顔で笑った。

ゆきちゃんが心配しないように。


本当は、会えないから宿題も手についてないほどだけど。


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