夢の中で
辺り一面真っ白だった。

「あれ…ここは…」

僕は辺りを見渡してみた。
視界は真っ白い霧のようなもので覆われて何も見えない。

「あれ…ここどこだ?」

不思議と体が軽く感じた。
「確か俺バイクで事故にあってそれから……」

僕は次第に事故にあったことを思い出した。

次の瞬間視界の霧がパァ〜っと晴れた。

霧が晴れるとそこには一面の草原だった。

「……これって、俺死んだか?……」

再び辺りを見渡すと少し先に小さな家が見えた。

「あそこにいってみるか」

僕はその家に近づいた。

白木でできた小さな小屋、建てられてから結構年が経っているらしいのに壁は綺麗に真っ白く新築のようだった。

家の前に来ると自然にドアが開いた。

そ〜っと中を覗いてみた。

「すみませ〜ん」

返事はなかった

「誰かいませんか?」

返事はやはり返って来なかった

その家の他には辺りには家はなかったので中に入ってみることした。

中に入るとそこには真っ白い部屋があった。

壁も床もみんな真っ白で家具はなにもなかった。

「だれ?」

突然背後から女の子の声が聞こえた。

僕はびっくりして振り向くとそこにはまだ高校生になるかならないかくらいの女の子が立っていた。

白いワンピースに赤い髪留めをつけた幼さがまだ残る感じの女の子だった。

「えっと・・・ごめん。ここ君の家かな?ちょっと道がわからなくて勝手に入っちゃったんだ。」

「そう・・・」

女の子はそういうと僕の横をスッと横切り、部屋に1つしかない窓に近づいた。

「君、ここで1人で暮らしてるの?」

僕は驚いた。本当はここが何処なのか知りたかったのに口から出た言葉は違った。

「ううん・・・私もただここにいるだけだから・・・」

「私も気づいたらここにいるの・・・いつも・・・ね」

彼女は目線を落とし、それ以上は何も言わなかった。

「あのさ・・・ここってどこなのか知ってる?」

やっと聞くことができた。

さっきまではなぜか聞くことを忘れていた。

「ここは・・・」
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