神のLetter
過去
「過去……??」
「えぇ…。」
そういえば私、
何時も一緒に居る園田さんの事なんて全然知らない。
園田さんは、また窓辺の方を向いて語り始めた。
「私の父ね、母を殺したの。」
園田さんの言葉に私は唖然した。
「でね、一人っ子の私は親戚もいなくて施設に入れられたわ。」
知らなかった園田さんの過去。
聞いていて、同感できる部分が多いと感じた。
「でも、施設でも友達なんて出来なくて孤独だったの。」
孤独
抜け出したばかりの殻。
「ずっと一人だったの。人なんて信じなくて……。
でもね、私に声をかけた男の子が居たわ。私より一つ上の男の子。」
一つ上……。
「名前はね
『針陏 竜也』
って言うの。」
「……!!?……」
私は衝撃的だった。だって、
「その人、私の……
お兄ちゃん…。」