冬と恋と君と【短】
ーーー……
「う~っ、さむい…」
首に巻いたマフラーで顔をあたためつつ、あたしは片手で靴を履き替えた。
「さら、おはよっ!」
「…おはよう。」
そう返事をしつつ、あたしは健太に気づかれないようにため息をついた。
…あたし、かわいくない。
みんなみたいに、かわいく笑顔であいさつもできやしない。
毎朝靴箱にくる時間が同じであるあたしと健太は、自然と教室へ一緒に行くのが日課になっていた。
いつものように並んで歩きながら、あたしは健太の話に耳を傾けた。
あたしは、この何気ない時間が大好きなんだ。