独眼狼ーワンアイウルフー
「…ずっと眠っていたのかい?」
マクスウェルが話しかけると、ティファナが小さく頷いた。
「…はい。何もする事がなかったので」
そうか、と呟きマクスウェルが両腕を少し広げた。
「おいで、ティファナ」
「はい」
何の躊躇いもなく、ティファナはマクスウェルの胸に身をあずける。
マクスウェルの腕がティファナの背にまわされた。
「ティファナ…とうとう、君の出番が来たよ」
「スフィンクスと、ですか?」
「あぁ。…ティファナ」
マクスウェルが名前を呼ぶと、ティファナが顔を上げた。
「…ティファナが帰って来るのは、私の所だけだ。……分かっているね?」
ティファナがその小さな手で、マクスウェルの軍服をぎゅっと掴む。
「…はい、マクスウェル様」
そう呟いて、ティファナは再び目を閉じた。
少しすると、小さな寝息が聞こえてきた。
眠りについたティファナをベットに寝かせ、マクスウェルはその頬を優しく撫でた。
「良い夢を……ティファナ」
ティファナに毛布をかけ、マクスウェルは寝室を後にした。