独眼狼ーワンアイウルフー



レクスは目を瞑り、神経を研ぎ澄ます。

目の前の景色は消え、暗闇が広がる。




──………カツンッ


暗闇の中で響いた僅かな音をレクスは聞き取った。


「そこか。……ケルベロス」
『言われるまでもない』


レクスが呼びかけるよりも早く、ケルベロスは走りだした。


微かな音を聞き取った場所─…300mほど北に進んだ所に、1体の機械獣が岩陰に身を潜めていた。

虎をモチーフにしたシンディウス王国陸用機械獣、タイガー。

先ほどの戦闘中に見失っていた、最後の1体。


ケルベロスの気配に気づいたタイガーがケルベロスを攻撃しようと、跳びかかって来た。

とっさにケルベロスは、タイガーの爪を跳び退いてかわす。


< 14 / 241 >

この作品をシェア

pagetop