独眼狼ーワンアイウルフー
任務・5 黒い蛇亀、紅い鳥
―…ガチャッ。
ドアの開く音で、レクスは眠りから目を覚ました。
レクスはコハクの看病で、慣れない作業をしたせいか…その疲れは普段のものとは違った。
疲れが溜り、我慢出来ず壁に体を預けて眠っていたらしい…そのせいか、肩がこったような気がした。
「う…」
「あら、ごめんなさい…起こしたかしら?」
レクスが微かに声を漏らすと、コハクとは違う女の声がドアの近くから返ってきた。
その時レクスは、コハクの部屋に誰かが入って来たという事を思い出す。
レクスは立ち上がり、コハクの部屋に入って来た人に視線を向ける。
ドアの近くに立っていたのは、救護班の制服を着ている女性。
腰まである長い黒髪を一つに束ねて、首の横から垂らしている。
少し吊り上がり気味な黒い瞳。