独眼狼ーワンアイウルフー
爆発したタイガーは、ばらばらになった。
炎の勢いは収まる事なく、燃え続けているのをレクスはただ見つめていた。
右目が少し熱くなる。
炎を見るといつもこうなる……その事をレクスは理解していた。
右目の傷痕に触れ、目を閉じる。
脳裏に浮かんでは消える様々な光景。
瓦礫と化した工業都市の悲惨な光景。
無数に広がる死体。
4体のイーグルとコンテナ。
それに近づくクロウ。
そして―……。
『レクス』
ケルベロスに名前を呼ばれ、レクスは目を開けた。
「……なんだ」
『基地には、連絡をしたのか?』