独眼狼ーワンアイウルフー
「…待ってたよ、ルイ。ルイが自分からちゃーんと、言ってくれるのをね」
「コハクさん…」
少し涙ぐんだ声でルイが名前を呼ぶと、コハクが困ったように微笑んだ。
「そんな泣きそうな顔しないの、ルイ」
「ご、ごめんなさい…」
自分の頬を軽く叩いて涙を堪えようとするルイの頭に、タスクが手をのせ笑って言った。
「なっ、みんな何も言わねぇって言ったろ?」
「うん…ありがと、タスク」
「いやー青春だねぇ」
ルイ達から少し離れたイスに座っていた霧兎が、しみじみと呟いた。