独眼狼ーワンアイウルフー
「団長、変態っぽいですよ…」
霧兎の呟きを聞いたコハクから、厳しい一言と視線が飛んできた。
「コハク…けっこう、言うねぇ」
胸が痛いと訴えかけるように、自分の胸を押さえて霧兎が言った。
はいはい…とコハクに軽くあしらわれた霧兎は、近くの壁に背中を預けていたレクスに話をふった。
「あーいう反応は、若いからこそのものだと思わないかい?レクス」
「…………。」
案の定、レクスは何も言い返さなかった…が。
霧兎はレクスのある異変に気づいた。
……レクスの視線が泳いでいるし、口元も手で押さえている。
それに少しだけだが…動揺しているような、焦っているような…そんな雰囲気なのだ。