独眼狼ーワンアイウルフー
任務・2 ラシェード平野
第一軍師団基地内の廊下に複数の足音が響く。
歩くペースを落とさず、コハクが口を開いた。
「ルイ、団長から任務内容は聞いてないの?」
「はい。とりあえずコハクとレクスさんを呼んで来いって…」
ルイは2人に置いていかれないようにと、必死に歩きつつコハクに応えた。
そんな2人の少女の前を歩くレクス。
会話に参加する気がないレクスは口を一文字に結び、目的地を目指し歩き続けた。
……倉庫を出てから5分もかからない内に、レクス達は目的地…団長がいるオペレーター室前に辿りついた。
金属で造られたオペレーター室の扉のすぐ横に、正方形の装置が設置されている。
これは、登録されてある人間の声が扉の鍵となる声紋確認装置である。
「…レクセウス・クルーリオ」
「天王寺琥珀。入ります」
「ルイ・ガーネット。…失礼します」
3人が名前を言い終わると、ピピッと電子音が響き扉が開いた。