独眼狼ーワンアイウルフー
オペレーター室の壁一面に、隙間なく映像装置が敷き詰められている。
映像装置に写るのは全て、ジーンデーン共和国の偵察機スパイダーから送られてきている映像。
スパイダーはその機体の小ささから、人が乗る事が出来ないため無人機となっている。
操作は全て、このオペレーター室のコンピュータにより管理されている。
壁に向かい合うようにして並ぶ机に何十人もの軍人が座り、コンピュータを操作する。
3人が入って部屋に入って来た事に気づいたのか、コンピュータと向かいあっていた少年が顔をあげた。
「あ!!レクスさん、コハクさん、ルイさん。お疲れ様です」
「イルムの方こそ、お疲れ様」
3人の元に駆け寄って来た少年に、コハクが声をかけた。
「コハクさん達と違って、僕らは内務ですから。前線で戦ってくれてる皆さんの方が大変ですよ」
そう言ってイルムは頬をかきつつ、微笑んだ。
くせっ毛の茶髪。
どんぐり型の茶色の瞳。
小柄でどこか、ふわふわした印象をうける。
本名、イルムガルド・デザイス。
ケビィン・デザイスの息子で、第一軍師団最年少のオペレーターである。