独眼狼ーワンアイウルフー
「俺は大丈夫だったけど、イーグルがなぁ…。今の状態じゃ飛ぶ事すら出来ないよ」
悲しそうに呟いたコルラドだったが、コハクの方を向くと恥ずかしそうに微笑を見せた。
「コハクに…頼みがあるんだ。……俺の仲間を、助けてほしい」
コルラドは更に続ける。
「本当は俺が行かなきゃいけないけど、今の俺には出来ない。だから頼─…」
「いいよ」
コルラドが言い終わる前に、コハクが口を開いた。
それが予想外だったらしくコルラドは目を点にして驚いた。
「え…ほ、本当に良いのか?」
「うん。じゃ行って来るね」
コルラドがもう一度確認すると、コハクは大きく頷きグリフォンの元に走って行った。
コックピットに乗り込む前に、コハクはコルラドの方を振り返った。
「うちの基地に通信入れて、修理班を呼んでおくから!!」
「あ、ありがとう!!」
コルラドはコハクに大きく手を振った。
コハクは一度だけ微笑むと、グリフォンと共に大空に羽ばたいて行った。
コルラドはグリフォンが見えなくなるまで、ずっと…ずっと大きく手を振り続けた。