独眼狼ーワンアイウルフー



なおもケルベロスに攻撃を仕かけながら、タイガーの操縦士が声を張る。


『仇をとるんだ!!……三年前、お前らに…ジーンデーンの奴らに殺された兄ちゃんの仇をっ!!』
「……っ」


仇。

その単語を聞いた瞬間、レクスの反応が鈍った。


タイガーの爪にうまく対応出来ず、ケルベロスの胴体にかすめる。

タイガーに牽制の一撃を放ち、ケルベロスは一旦距離を置く。


「くっ…ケルベロス、無事か?」
『問題ない。……それよりもレクス…反応が遅くなったぞ、どうかしたか?』
「………何でもない、行くぞ」


右目のうずきを感じながら、レクスはケルベロスとタイガーの距離をもう一度縮めた。

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