独眼狼ーワンアイウルフー
…眩しいと思った。
レクスはただ、コハクの存在が眩しく感じられた。
自分とは違い、大切な者達を守る為に戦うコハクが…。
「……コハクらしい、な」
レクスがそう呟くと、コハクが疑問を投げかけてきた。
『…って、何で突然こんな事聞いたの?』
「……気にするな」
『気にするなって言われても気になるじゃん!!ねぇ、何で?』
「……だから、気にするな…」
レクスはそう言葉を残し、ケルベロスを走らせた。
『あ、ちょっと!!レクスっ!!』
コハクも急いでグリフォンを飛ばせ、ケルベロスの後を追う。
『だから、何でって聞いてるじゃん!!』
「……さっきも言った、気にするな…」
『えーっ何よそれ!!』
レクスとコハクは言い合いを止める事なく、第一軍師団基地へと向かった。
レクスはコハクと言葉を交す中で、ふと思った。
自分もいつか、コハクのように誰かを守るために戦えるのだろうか…と。
……その答えが見つからないまま、レクスとコハクはラシェード平野を後にした。