独眼狼ーワンアイウルフー



いつもと変わらず荒れ果てているランブル荒野にやって来たレクス達は、辺りの見回りを行った。

見回りを始めてから早一時間……ケビィンが愚痴り始めた。


『居ねぇなぁ…』
『やっぱり、分かれて探した方が良かったんでしょうか?』


ルイの言葉にケビィンが眉を潜める。


『いや、相手の能力も数も分からんこの状況じゃバラバラになって探すのは危険だぜ』
『……そうですね』
『その様子じゃ空からも何も見えねぇんだな』
『えぇ、ズーム機能を使っても岩と砂しか見えません…』
『身を隠そうと思えば岩陰にいくらでも隠せる…か、めんどーだな』


そんな仲間2人の通信に、耳をかたむけていたレクス。

殿軍(しんがり)の役割を任されたレクスは、背後に微かだが何かの気配を感じた。

レクスが振り返るよりも速く、その何かがこちらに飛び込んで来た。


「く……っ」
『のぁっ!!?』


ケルベロスがアーマードベアに体を強く当て、押し飛ばす。


『てめ…っ!!』


突然押し飛ばされたケビィンがレクスに文句を言う前に、地面がえぐれる音が響いた。


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