独眼狼ーワンアイウルフー
「お前の狙いは、俺とケルベロス…か?」
『そうだ』
レクスの呟きに白い機械獣の操縦士が応える。
それを聞いたレクスが1つの提案を出した。
「………なら、邪魔されない所で戦おう…。周りで戦われては気が散りかねない……」
『お、おい!!レクス!?』
ケビィンがレクスを止めようとしたが、それよりも早く白い機械獣の操縦士がレクスの提案を飲んだ。
『…良いだろう。好都合だ』
「…………。」
ケルベロスと白い機械獣が共に走り出す。
それを止める事も出来ず、ケビィンは拳を強く握る事しか出来なかった。
─…ケルベロスと白い機械獣は開けた場所に出た。
先ほどの場所とは違い、隠れれるスペースなどはない。
『俺の名はゼノス。ゼノス・アディウスだ。所属は王宮直属軍……今までお前が相手にしてきた雑魚なんかと一緒にするなよ』
「………。」
レクスは、ただ黙ってゼノスの言葉を聞き続けた。
『こいつは俺の機械獣、フェンリル…』
ゼノスは名乗り終わると同時に、一気にケルベロスとの距離を詰めた。