ええねん
やる気がめらめらと燃えてくる感じ。
前の学校では常にエース張ってたからこういう高揚感ってない。
少なくとも大事な試合の前とかじゃなければ。
校内では確実にエースだったから。
「なぁ、いいだろうカツリョウ」
カツリョウ?
小柴の視線を追うと、それは勝に向かって言った言葉だとわかる。
勝が、カツリョウ?
「オレ勝亮太っていうんだよ、略されてカツリョウ」
「人気者なんやなぁ」
「どうだか」
「それか、なめられてるかのどっちかやな」
ポツリと言うと教室には再び沈黙。
そしてその後の爆笑。
ま、大阪人は人間観察が厳しいと言うことで。
「新人扱いしてロードを毎日やってもらってもいいんだぞ」
「教師が真顔で冗談言うもんやないで」
「オレは本気だけど?」
「オレの実力が見たないねやったらそれでもええわ、走るの好きやし」
「口ではかなわないな」
早速の白旗。
オレは大いに笑った。