ええねん

 仕方ない。



 カツリョウはそうポツリとつぶやいた。


「特に連絡事項もないからSHRはおまえにくれてやるよ」


「太っ腹やな」


「なんとでも言え」


 教壇を降りてあさってのほうを向きカツリョウは言う。

 なるほど、話せる教師って感じだ。

 そら生徒にカツリョウ呼ばわりされて人気うはうはなはずや。


「ちなみにおまえの席はそこの空いてるとこな」


 カツリョウが指差した先は一番廊下側。

 でもって最後列。

 これってめっちゃ眠れるポイントやん。


「聞きたいことは今聞いとけよ」


 そうカツリョウが言い終えたが最後、教室のあちらこちらから声がかかる。


「彼女と別れたのは遠恋になるから?」

「テレビに出たってどんな?」


「好みのタイプを芸能人でたとえると?」



 サッカー選手として。

 一男子生徒として。

 いい興味を持たれているようだった。


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