ええねん
「オレが昨日言うたこと、覚えてるって言ったよな」
「うん、たぶん、覚えてると思うけど」
「練習が休みなんはあと二、三日やろ?
お前も休めや」
そう言うとリョウはオレを視界からはずす。
って、何度もそんなことされてもオレは平気やから。
「お前の気持ちはわかった。
それやったら、お前の努力をオレらも一緒に追わな嘘やろ?
せやからデータ収集はともかく、反省会をみんなでやろうや」
「反省会?」
「みんな少なからず思ってることがあるはずや。
ええこともあかんこともあるやろ。
それをみんなで出し合って、絶対に。
国立に行けるよう、途中でこけへんようにせなあかんやろ?
言うてることわかるな?」
「みんなで?」
「サッカーはチームでする競技や。
それに、オレらはもうお前がおらんかったらあかんように出来上がってる。
わかるやろ?
せやからみんなで、や。
個人プレーはあかんで?」
それはオレ自身へのいましめの言葉でもあった。
ワントップでいい気になったらあかんって。
サッカーは一人でできる競技やない。