ええねん


 SHRが終わって。

 嵐のようなSHRが終わって。

 オレは男に囲まれて、リョウは女に囲まれてた。

 当然の成り行きやな。


「本気なのか?」


「夏日先輩は?」


「愛は?」


 矢つぎばやに質問が飛ぶ。

 いちいち答えるのも面倒くさい。

 ケリはついてんねんって。


「本気も本気。

 うっかり好きになってしもたんや。

 せやから、もう今までのオレとは違うねん」


「違うねんって…」


 そう言うのは小柴。

 一番の近距離で話を聞きだそうとしてる。


「お前、オレらが最初に言ったこと覚えてるだろう?

 愛は?

 大丈夫なのか?」


 やっぱり。

 こいつらちゃんとリョウの心配してんねや。


「平気や、言うたやろ?

 ちゃんとケリつけてきた。

 愛には、昨日会って全部話した。

 その上で別れたんや」


「愛はなんて?」


「条件を出してきたわ、あいつ」


「条件?」


「自分がフルって」


「え?」


 それは数人が漏らした驚き。
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