ええねん

「失礼します」



 オレのイントネーションに何人かの教師が振り返る。

 その中でオレが探していたのは一人。

 担任のセンセーや。

 確か、勝やったかな。


「おう、来たな」


 さわやかな男である。

 スーツをピシッと着て、背筋が伸びて。

 180超えたオレとさほど変わらへん。

 いかにも学校中の人気さらってます、みたいな男。



 ライバルか?


「そうやってるとサッカー小僧だな」


 勝はそう言って笑う。


「事実サッカー小僧やけど」


「そうだよな、ちなみオレサッカー部の顧問だから」


「そうなん?」


「そっちもよろしくな」


 どこまでもさわやかな男、勝。



 やっぱりライバルやな。

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