ええねん

 指差す先。

 そこにおるイケメン。

 オレが見つけたのは一人。

 髪の長い品のええ感じの女の真横におる男。

 髪をカチッとブロウして、隣の女に微笑んでる。

 典型的なイケメンやな。


「あれが蒼太。
 
 隣にいるのはクラスメイトの上月清香。

 蒼太は愛と別れた直後に上月に猛烈アタックして、あの結果」


「暗そうやけど、綺麗系やな、上月って」


「前はもっと暗かったんだけど、蒼太が近づいたらああなった。

 で、愛はふられてフリーと」


「それはなに?

 あいつを引きずってんの?」


「さぁそれは愛に聞かないとね。

 けどさ、学園祭クイーンって言えば、イケメンランキングもあったんだよ」


 小柴はやけに楽しそうにそう言う。


「蒼太は三位、夏日先輩が四位で、二位は池田って先輩だったけど、一位がさ」


 回りもなんやクスクス笑ろうてる。

 なんや、この空気。

 嫌な予感がする。


「カツリョウだったんだよ」


 やっぱり。

 オレの肩はがっくりと落ちる。


「なんやねんそのランキング」

 
 オレは怒りに任せてカレーを食らった。

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