ええねん

 っていうか。

 他人の心配なんて関係ないわ。

 それより自分の問題や。


「なぁ、誰か愛ちゃん紹介でけへん?」


 突然の言葉になんとなく回りがずるってなってる気がした。


「オレ今年のイケメンランキング入れる気すんねんけど、あかんかな」


「いや、響ならいける気がする」


 そう言う小柴の口調はなぜか力ない。

 なんでや?


「池田先輩も夏日先輩も卒業したし、蒼太はあの通り上月にべったりだから敬遠されがち。

 ということは響とカツリョウの一騎打ちか?」


「何?

 あのおっさんには負けられへん」


「おっさんゆうな」


 そう言ってオレの頭にげんこつがふってくる。

 あおぎ見るとおっさんゆうたカツリョウが軽そうなトレイを持ってそこにいた。


「暴力や」


「愛のムチだろ?」


 カツリョウはそう言って去っていく。



 くそう。

 去り際にもええ笑顔を見せやがって。

 やっぱり一番の大敵はカツリョウやな。



「サッカー部はイケメン排出率高いな」


 小柴がポツリとそう言った。

 そういう小柴は……

 どうやろ。

 もうちょっとあかぬけなあかん気がする。

 どこが悪いって、顔の作り?

 これはもう小柴のおとんとおかんのせいやな。

 あれやな。

 小柴は絶対童貞や。


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