ええねん
 
 笑われることは慣れてる。

 っていうか。

 笑いがないほうがキツイ。

 オレの周りってそういう感じ。

 せやから。

 とりあえず爆笑もらってホッとする。



 いくらサッカーが強い学校でも、笑いがなかったらいやや。

 日中耐えられへんもん。

 朝から晩まで笑い合ってたんやから。

 いきなり笑い封印て。

 そらないやろって感じ。

 うっかり大阪帰りたなるっちゅうねん。



「っていうか、響って」


 でかい声を出したのは、さっきもオレの名前を呼んだ男。


「そんなキャラだった?」


「そんなもこんなも、オレのこと知ってんの?」


「知ってるさ、テレビにも何度も出てるし」


「あんたサッカー部?」


「一応エースなんで」


 おおっと教室内にどよめきが起こる。

 なるほど、エース対決ですか。

< 8 / 200 >

この作品をシェア

pagetop