ええねん

「副キャプテンもやってる、小柴真史」


「小柴って都選抜に出てた小柴」


「あたり」


 なるほどそういわれてみればなんとなく見たことがある。


「お互い顔見知りか、でも今日からは完璧なライバルだな」


 横から勝が口を挟む。

 そうやねん。
 
 一つチームに二人もエースはいらん。

 けど、分が悪すぎ。

 副キャプテンってことは人望もあるってこと。

 生活態度も悪くない。

 教師受けもいい。

 オレの自信のない分野ばっかりや。


「うちは実力重視だからさ、後から入っても一年でもレギュラーにするよ」


「それ、自分が外れてオレがエースナンバー付けてもええって?」


「やってみないことには、近いうちに紅白戦でもしようぜ」


 小柴は笑う。



 どうやら相当自信があるらしい。

 けど、オレも負ける気がしない。

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