青い風船
居ない。
ー…キーンコーン…
カーンコーン……ー
「ね、早くしないと購買売り切れちゃうよ!!行くよ桃夏~」
「あ~待って待って!!」
急いで数学の教材を机に入れて、菜乃波の後を追った。
菜乃波は購買の列に先に並んでいた。
菜乃波を探すのに、この身長では少しキツい。
ローファーでつま先立ちをして、必死に菜乃波を探した。
途端に、後ろから菜乃波の高くて透き通った声が聞こえた。
「桃夏~!こっち!!」
振り返ると、スラッとした顔立ちの菜乃波の笑顔が瞳に飛び込んだ。