お兄=秘密彼氏
私は 大翔の手を優しく握った



「大翔は事故に巻き込まれたの」



「じ・・・こ・・?」



「うん
 大翔は全然悪くないの
 悪いのは 車を運転していた相手なんだから」



「そっか・・・」





大翔はゆっくりと 天井を見上げた

そして ふっと口を上げた





「俺・・・夢 みてた」



「夢?」



「真っ暗な闇の中で 俺はただ走ってんだ
 目的地もゴールもわからないまま・・・」






自分のみていた夢を話し始める大翔に


私は静かに 耳を寄せた







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