青春小説
…からんからん。



「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」


やっぱりこいつ雨の日にしかこないな。


そんな顔して、顔見知りの店員に席を案内してもらう。



…今日はまだ、きてないみたいだな。





あの日もこんな、雨の日だった。
気まぐれで入ったこの店にあの人はいた。

僕が、雨に、この静けさに、時間に融けていく。



雨が地面に、道端に咲いてる花に落ちる音が聞こえるはずなのに…


なぜかとても静かなんだ。
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