いちごみるく
駅の近くでカップルとは別れ、俺達はいつもは足を踏み込まない駅のデパートに来た。
おっこれ結構いいじゃん。できる大人って感じ。
「なあこれとか結構よくね?」
…ってあれ?隣にいるはずなのに返事がない。
横を見るとまあ思った通り、璃乃はちょこんと立っていた
でもなんだか様子がおかしい。
半泣きって感じだし、今の俺の問いかけも耳に入ってないみたいだな。
少し様子をうかがっていると、璃乃がキョロキョロと周りを気にしてることに気が付いた。
ん?誰が知り合いでもいるのか?
俺は璃乃の気にしている方を見た
…なるほどな、そういうことか
俺らジロジロ見られすぎだな…場違いっとことか?
俺はそういうことあんま気にしないから、全く気づかなかったぜ
璃乃の動きが小動物みたいで可愛かったし、このままってのもありだったけど、
まあここは助けてやるかぁ
俺は小さくため息をしたあと
璃乃の耳に手を当ててささやいた
「なあ璃乃…
ちゃっちゃと済まそうぜ、
適当に選ぶ気はないけどさ…
俺この雰囲気苦手だわ」