【少女A。】
“退けよ豚ども。
どうせお前等は世間話のネタが欲しいだけだろ。
もう主婦となり豚となったその身体を私の前に晒すな。気持ち悪い。“


私は心から思った。


どこか中を見れる所が無いかと周りを見渡していた所、通りをはさんでマンションがある。
そのマンションの二階のベランダの手すりに少女が座っていた。
事件に釘付けになっているせいか、注意する者はいなかった。

少女は私と同じ位の年だった。
輪になって侵入を防ぐ黄色いテープの周りをかこっている住民。
その黄色いテープの中を少女は嬉しそうに覗いている。
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