告白

本番

そして本番がきた
大夢は少し腕が治り、リレーや腕をそんなに使わない種目にでれることになった

私たち1年生の最初の種目はいきなり大縄
だから頑張らないと

そして1年生からはじまった大夢の掛け声とともに


みんな必死になって跳んだ


だけど結果は1年の中で4位中3位だった
多分私があせって速く縄をまわしすぎたんだ
自分ではわからないけど速かったんだ
ごめん ごめんね――――

そんなことを思っていたら目からぽろぽろと涙がこぼれてきた

先生とかみんなや先輩たちが集まってきて「桃チャンのせいじゃないよ みんな頑張ったよ」って励ましてくれたけど苦しかった

私がしばらく泣いていると後ろらへんの席の大夢が

「ごめん…」

と私にぽつりとつぶやいた

「え?なんで?」

悪いのは私なのになんで大夢が謝るんだろうと思った

「俺が事故ってまわすの出来なくて、色々迷惑かけたから…そんで小西は責任感じて泣いてるし…ほんとごめんな…」

そんなこと思っててくれたんだ
事故ったのだって、大夢は悪くないのに

「ううん 大夢のせいなんかじゃないよ 悔しくて勝手に私が泣いてるだけだから 謝んないで こっちのほうこそゴメンね」

「ごめんな 本当に… お前 まわすの上手かったよ!」

そして私の頭をぽんぽんと撫でてくれた

「ありがとぉ」

私はタオルで顔を覆っていた

大夢は優しい
私はそんな優しい大夢が大好きだ
でも優しくて嫌い
優しいからつらい

だれにでも優しい大夢
私だけじゃない
こんなことするの
だれにでもする
だから嫌
苦しくてつらい

だけど私は大夢の手を振り払わずにいた
振り払わせれなかった

嬉しくて嬉しくて
ただ 大夢が私のそばにいてくれていたことが嬉しかった
特別な感情なんか私になくっても
嬉しかった

ただ 好きだから

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