アスファルトに咲け!
こうして、記念すべき初登校はなんとも慌ただしいものになった。
学校の外観も正面玄関まで続く桜並木も楽しむことなく、あたしは上靴に履き替えて階段を駆け上がった。
1年の教室があるのは4階。あたしは機械科だ。
なんとか間に合ったけど時間ギリギリだからほとんどの生徒は教室の中。廊下に人気は疎らだけど教室の中はガヤガヤと賑やかだ。
きっと同じ中学同士の数人くらいで既にグループが出来てるんだろうなぁ…
あたしは地元から離れてるここには友達どころか知り合いもいない。
機械科の教室の扉の前に立って、小さく拳を握り締めて深呼吸。自分に気合いを入れる。
さっきも言ったけど最初が肝心なのよ。友達作りは笑顔がものを言うの。
あたしは出遅れた焦りを隠すように精一杯の笑顔を作り勢い良く扉を開けた。