アスファルトに咲け!



あたしを見て普通だと言った男子は、入学式だというのに髪は赤いし釦は胸元まで開けてネックレスを下げている。


ズボンも腰で穿いてるし、派手なベルトにはジャラジャラとチェーンが付いてるし…



連んでる男子達も派手だけど、こいつの派手さはずば抜けてる。



うわ、引くし~。超派手なんですけどォ~…って言い返してやりたいけど1対複数じゃ絶対不利だ。



何より入学早々微妙な空気を作りたくない。あたしは再び笑顔を作り直してその男子に訊いた。




「あのさ、他の女子は…?」

「何言ってんだ、お前の他に女子なんて居ねぇよ」

「はいぃィ!!?」




何かの冗談でしょ…?冗談だよね?




そう何度も頭の中で繰り返していると、気の毒に思ったのか黒板の前に集まっていた男子の1人が教卓の上にあった出席簿を渡してくれた。



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