アスファルトに咲け!



出席簿にはずらりと男子の名前が続いていて、その中にポツンとあたしの名前があり、下にはまたまた男子の名前がずらずらと。




ここは工業高校。学科ごとのクラスで分けているので男女のバランスなんか考えていない。


つまり、今年機械科に入った女子はあたし1人ということだ。




「たった1人の貴重な華だろ?どういう奴かと思って期待してたんだけどなぁ~…」

「…な、なに?」




不意に顔を近付けられてまじまじと見られた。こんな至近距離に慣れてないからどこに目をやっていいのか解らない。



あたしが視線を泳がせていると、またもやそいつは嫌な笑顔を見せた。




「顔が見たくて待ってたのにこんな普通の奴が来ちまったら興醒めだろ」

「…なっ!」

「ははッ。猿岡(サルオカ)、もうそのくらいにしてやれって~」

「可哀想じゃん。固まっちゃってんぜ?」



言葉の割には救う気のないような笑い声が一斉にあたしに浴びせられる。



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